コンプレッサーあれこれ【容積圧縮機】
容積を圧縮するコンプレッサー「容積圧縮機」
空気を圧縮することでエネルギーに変換するコンプレッサー(圧縮機)は、産業分野の幅広い用途で用いられます。コンプレッサーは潤滑方式や圧縮段数、冷却方式などによって様々な分類をすることができますが、圧縮方法として大きく分類できるのが「容積圧縮機」と「ターボ圧縮機」の2つです。コンプレッサー修理の匠、森脇産機がお届けする基礎情報「コンプレッサーあれこれ」第1回では、そのうちの「容積圧縮機」についてご紹介します。
容積圧縮機とは
容積圧縮機は、機構内の気体の容積を圧縮することでエネルギーを得るコンプレッサーです。ローターなどを回転させることによって容積を圧縮する「スクリュー型(回転圧縮機)」と、ピストンを往復運動させて容積を圧縮する「レシプロ型(往復圧縮機)」に分類できます。
容積圧縮機の種類
こちらでは、スクリュー型コンプレッサーとレシプロ型コンプレッサー、それぞれの容積圧縮機について簡単に解説します。
スクリュー型コンプレッサー
●ツインスクリューコンプレッサー
噛み合わせた2つのスクリューを高速で回転させることで容積を圧縮するコンプレッサー。開発者のアルフ・リショルムの名から「リショルム・コンプレッサー」とも呼ばれています。
●シングルスクリューコンプレッサー
2つのゲートローターの間に1つのスクリューローターを配置し、高速で回転させることで容積を圧縮するコンプレッサー。ツインスクリュー式に比べ、より速い圧縮が可能です。
●ロータリーコンプレッサー
板状の仕切り「ベーン」がついた小さな円筒状のローラーを、円形の空間で回転させることで容積を圧縮するコンプレッサーです。
●ロータリーピストン式コンプレッサー(ルーツ・ブロワ)
「8」の字型の2つのローターがそれぞれ90°角度をずらして取り付けられ、互いに反対方向に回転することで、機構内の容積を圧縮するコンプレッサー。ルーツ・ブロワとも呼ばれます。
●スライドベーン式コンプレッサー
ロータリーコンプレッサーのベーンが2枚入ったもので、偏芯したローターが回転することでベーンが運動し容積を圧縮するコンプレッサーです。
●スクロールコンプレッサー
同一形状の2つの渦巻き体を組み合わせ、一方を固定しもう一方を円運動させることで容積を圧縮するコンプレッサーです。
レシプロ式コンプレッサー
●往復圧縮機(レシプロ圧縮機)
ピストンの往復運動によって、シリンダー内の容積を圧縮するコンプレッサーです。
●斜板式コンプレッサー
斜めに傾いた円盤を回転させることで、付随するピストンを運動させ容積を圧縮するコンプレッサーです。
●ダイアフラム式圧縮機
偏芯のローターにつながったコネクティングロッドで、ダイアフラム(膜)を往復運動させることで容積を圧縮するコンプレッサーです。
日本の産業を支えるコンプレッサー
今回紹介したように、現在主流となっている容積圧縮機には様々なものがあります。これらにはそれぞれに別の用途や目的があり、日本の産業を支えています。コンプレッサー修理の匠・羽田コンプレッサーでは、あらゆるコンプレッサーの修理・メンテナンスを承っています。容積圧縮機のことでお困りなら、お気軽にご相談ください。