コンプレッサーのエラーと対策【日立編3】
日立製コンプレッサーのエラーコード「E-11」「E-12」「E-13」
コンプレッサーの状態を的確に把握するため、機器に取り付けられた電子表示は非常に重要です。とくにエラーコードは、コンプレッサーの故障やトラブルの把握に必須で、修理の際の指標となります。以前のコラムでは、日立製コンプレッサーのエラー「E-17」「E-18」、「E-19」について解説しました。今回は、それらに引き続き、エラーコード「E-11」「E-12」「E-13」についてお話ししていきます。
エラーコード「E-11」
「E-11」は、オイルセパレーターエレメントの出口温度異常によって起こるエラーです。出口温度が110℃以上まで高くなると検出されます。
【「E-11」の対処法】
オイルセパレーターエレメントおよび、潤滑油の交換が必要です。
・周囲温度を40℃以下にする事も大切です→換気を良くする等
・温調弁の作業不良→交換
エラー表示をリセットする際は「リセットスイッチ」を押します。
エラーコード「E-12」
「E-12」は、コンプレッサー本体の出口圧力の異常上昇または、電磁接触器異常によって起こるエラーです。運転開始5秒以降の運転中に異常が起きた際に検出されます。
その他に、圧力調整弁の不良、吸込み絞りベンの不良、メカニカルシールの破損や、
圧力計の指示不良などが考えられますので合わせて確認しましょう。
【「E-12」の対処法】
出口圧力の異常上昇 |
点検を行ったうえ、セパレーターエレメントの交換を行います。 |
電磁接触器異常 |
電源をオフにしたうえ、配線の緩みを確認、改善します。 |
エラー表示は「リセットスイッチ」を押してリセットします。
エラーコード「E-13」
「E-13」は、モーターの過電流、電源異常、吐出圧力の過上昇、オイルセパレーターエレメントの詰まりを原因として起こるエラーです。インバーターからの異常からの故障を検出します。
【「E-13」の対処法】
様々な原因が考えられますので、以下の点をチェックし、適切な対処を行いましょう。
・電圧の低下や不平衡がないかを調査したうえで原因を取り除きましょう。
・吐出圧力が定格以上になっている場合、設定を再調整します。
・主モーターの絶縁抵抗の測定やモーターの調査を行います。
エラー表示をリセットする際は「リセットスイッチ」を押します。
適切な対処で安全な運転を
機械は人間のように不調を口頭で詳しく訴えることができないため、エラーコードがその代わりとして機能します。ただし、エラーコードによる“訴え”もその意味が分からなければ適切な対処・修理ができません。エラーの意味をきちんと把握し、正しい対処・修理を行って常に安全な運転ができるよう心がけましょう。なお、コンプレッサー故障時の修理やメンテナンスは、 “コンプレッサー修理の匠”羽田コンプレッサーでも承ります。コンプレッサーのことでお困りでしたら、お気軽にお問い合わせください。