コンプレッサーの省エネ対策、ポイント5選!省エネ化するメリットとは
工場でコンプレッサーは重要な機械になります。
一定規模以上のエネルギーを使用する工場や施設は「省エネ法」という、規制対象となり、エネルギー使用量の管理やエネルギー使用状況届出書の提出など、省エネルギー対策を徹底して行うことが求められます。
「コンプレッサーの省エネ方法はどんな方法がある?」など、お客様から省エネ対策のご質問が多かったため、今回は、「コンプレッサーの省エネ対策について」ご紹介します。
コンプレッサーの電力消費
まずは、コンプレッサーの電力消費者についてです。
産業分野では、利便性が高い動力源として、コンプレッサーが活用されています。
一般的に工場では、電力消費の約2割がコンプレッサーの動力源として使われていると言われています。日本全体で電力使用の約50%が産業分野であるため、コンプレッサーは日本の電力消費の約10%と多くの電力を使用しています。
法律「省エネ法」では、中長期的にエネルギー消費原単価が年平均1%以上低減できるように事業者に対して定めています。
※経済産業省 資源エネルギー庁ホームページ参照
そのため省エネ対策としてコンプレッサーの省エネ対策がとても重要になってきます。
コンプレッサーの省エネ対策ポイント5つ
ここから実際にコンプレッサーの省エネ対策を行うために重要なポイント5つをご紹介します。
高効率コンプレッサーの導入
高効率コンプレッサーの選定を行うことで、省エネ対策として効果的です。高効率コンプレッサーの選定はとても難しいですが、コンプレッサーの「使用空気量」「必要圧力」「工場側負荷変動」などを調べて、工場に適性な機種でコンプレッサー設備を構成する必要があります。正しい選定をしたのもかかわらず運用面でマイナス部分があると省エネの効果は半減してしまいます。
インバータ式と集中化方式のコンプレッサーを検討すると良いです。
※半導体不足の影響のため、インバータの供給が遅れております。
コンプレッサー吐出圧力の低減
コンプレッサー吐出圧力を下げることで与える省エネ効果はとても高いです。
以下に削減効果の計算方法を記載しました。
・削減効果(kW)=消費電力(kW)×負荷率(%)×削減効果
・削減電力量(kWh)=削減効果×稼働時間×稼働日数
・削減効果(円)=削減電力量×削減効果
台数制御装置の設置
コンプレッサー設備は、工場の必要空気量に対して必要最小限の台数を運用することが最も効果的な省エネ方法となります。コンプレサーの台数が無駄に多いと吐出空気量はゼロなのに電力消費している状況になります。台数を制御することで無駄な電力消費を抑えることができます。
以下に台数制御装置を導入するメリットを記載しました。
①コンプレッサーの運転台数を自動的に適正な台数に制御します。また、負荷変動に対する追従性が向上により最適な台数での運用になりますので安定的に運転することができます。
②複数台コンプレッサーが設定している場合、すべてのコンプレッサーがバランスよく運転してくれるようにすることができます。特定のコンプレッサーのみ過度に運転してしまい機械のトラブルを防ぐことができます。
③台数制御装置を導入することで、コンプレッサーを自動で運転管理することができます。そのため、手動で運転管理をする担当者が不要になり、人件費の削減もできるようになります。
④運転状況を継続的に監視し、データを管理することができます。データが取れていると今後省エネ対策に役立ちます。
エアー漏れを改善
エアー漏れを改善することで、簡単に省エネ対策ができます。
調査方法
①休日や連休中に漏れ音を調査する。
②レシーバタンク充填後の圧力低下時間を調査する。
①の調査では、漏れ音がしていないか、手をかざして漏れている感じるがするかを確認します。もし、漏れが感じる場合、早急時、コンプレッサーの修理や点検をする必要があります。
②の調査では、漏れ時間によって省エネの計算ができます。
孔径 (mm) | 1分間の漏れ量 (m3/min) | 年間の漏れ量 | 年間の損失費用 |
---|---|---|---|
1 | 0.07 | 25,200 | 45,400円 |
2 | 0.29 | 104,400 | 188,000円 |
3 | 0.65 | 234,000 | 422,000円 |
孔径 (mm) |
---|
1 |
1分間の漏れ量 (m3/min) |
0.07 |
年間の漏れ量 |
25,200 |
年間の損失費用 |
45,400円 |
孔径 (mm) |
---|
2 |
1分間の漏れ量 (m3/min) |
0.29 |
年間の漏れ量 |
104,400 |
年間の損失費用 |
188,000円 |
孔径 (mm) |
---|
3 |
1分間の漏れ量 (m3/min) |
0.65 |
年間の漏れ量 |
234,000 |
年間の損失費用 |
422,000円 |
孔径3mmの場合、年間の損失コストが42万円近く発生している計算になります。
コンプレッサー吸入温度を下げる
コンプレッサーの吸入温度を下げることでコンプレッサー原単価が改善されて省エネに効果的です。
吸入温度を下げるためには以下の方法があります。
①機械室の温度を下げる
コンプレッサーは機械室にせってされていることが多いですが、機械室の室内温度が高いと省エネ効果としては逆効果なため、通風が十分されている場所に設置しましょう。
②吸気フィルターの掃除と交換
吸気フィルターの掃除は定期的に行いましょう。吸気フィルターが汚れているまま使用していると埃などの汚れが詰まっているまま動かしていると機械内の温度が上がってしまいコンプレッサーの故障、トラブルにも影響してしまいます。
③冷却ファンや冷却システムの最適化
コンプレッサー内に搭載されている冷却ファンですが、冷却ファンの機能が悪いと機内の冷却ができないため、温度が上がってしまいます。そのため冷却ファンやシステムにも目を向けてアップデートすると良いです。
コンプレッサーの省エネ対策をするメリット
コンプレッサーの省エネ対策を行うことでのメリットをご紹介します。
これまでの内容に含まれている内容もありますが、もう一度どういったメリットがあるかをチェックしましょう。
電力消費コスト削減
コンプレッサー省エネ対策によって、エネルギーコストを削減できます。コストを下げることで、コンプレッサーの最新機械を導入や定期点検・メンテナンスにコストを活用することができるようになります。
高い生産性と効率性が上がる
省エネ化によってコンプレッサーの効率化が上がるため、生産プロセスの安定性が向上し、高い生産性が期待できます。
企業イメージの向上
環境に配慮し、エネルギー効率化に取り組むことは会社のイメージを上げるためにはとても効果的です。また、会社のイメージが上がることで顧客の信頼性も上がります。
まとめ
今回は、コンプレッサーの省エネルギー対策に関して、ご紹介しました。
省エネ対策の方法は5つのポイントをご紹介しました。
全てを行うのは難しいと思いますので、1つ1つクリアしていければ年間で数十万以上のコストを削減することができます。
省エネ対策をすることでエネルギーコストを抑えることができ、台数制御装置を導入することで人件費のコストも削減することができます。また、コスト面だけではなく会社イメージの向上や信頼性が上がります。
この機会にコンプレッサーの省エネ化に検討いかがでしょうか。