コンプレッサーの日常点検【潤滑油の管理】
コンプレッサーに欠かせない「潤滑油」を適切に管理
用途に合わせて様々な方式で空気を圧縮しエネルギーに変換するコンプレッサー。一部のレシプロ型では、無給油(オイルレス)タイプのものもありますが、基本的にはスムーズな動作を可能にするためのオイル(潤滑油)が必要です。この潤滑油は「消耗品」であるため、定期的な点検と管理が必要です。
コンプレッサー修理の匠、森脇産機がお届けする「プロが伝授!コンプレッサーのエラー対策&修理のコツ」、今回はコンプレッサーの運転に欠かせない潤滑油の管理についてご紹介します。
潤滑油管理の必要性
コンプレッサーの必需品である潤滑油は、時間の経過とともに劣化していきます。もしそのまま使い続けた場合、潤滑油に混入した気体を分離する「オイルセパレーター」の部品に劣化した潤滑油が付着し、酸化反応熱によって局部的に発火する恐れがあります。このような火災を防ぐためにも、各機器の整備基準にしたがった定期的なメンテナンスが欠かせないのです。
※万が一、オイルセパレーターから発火した場合は、すみやかに主電源を遮断してください
潤滑油の油量を適切に保つ
潤滑油は使用するごとに徐々に消費され減っていきます。潤滑油が減りすぎると、機械内で焼きつきを起こすリスクが高まり、逆に多すぎると油があふれて「スス(カーボン)」となり弁に固着するリスクが高まってしまいます。どちらもより大きな故障につながる可能性があるため、常に油量を適切に保つ必要があります。
【油量の確認】
通常、オイルケースには油量を示す油面計が備え付けてありますので、運転させた状態で油面計を見て、朱線(赤い線)などで示されている適切な量を把握します。適量よりも多い場合は、運転を停止して圧力が残っていないことを確認したうえで、排油口から余分な潤滑油を抜きましょう。少ない場合は、同じく運転を停止して圧力がないことを確認したうえで電源も切ってから、補給を行います。
潤滑油は定期的にサンプリングを
潤滑油は使用するごとに少しずつ劣化していきますので、正確に状態を把握するため、3,000時間程度の使用間隔を目安とした定期的なサンプリングと分析が必要です。分析の結果によっては、早めに潤滑油の交換が必要になることがあります。サンプリング・分析は自社で行うのは困難を伴いますので、必要な際は、“コンプレッサー修理の匠”羽田コンプレッサーまでお問い合わせください。