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コンプレッサーの水抜きはなぜ重要?仕組みと正しい方法を徹底解説

コンプレッサーは、圧縮空気を供給するための重要な機器ですが、使用するうちに内部に水分がたまってしまいます。この水分を適切に排出しないと、コンプレッサーの性能低下や故障の原因となるだけでなく、エアツールや生産設備にも悪影響を与える可能性があります。そこで、コンプレッサーの水抜きの重要性や正しい方法、注意点について詳しく解説していきます。

なぜコンプレッサーに水がたまるのか

コンプレッサーは空気を圧縮する過程で、空気中の水分が凝縮し、内部に水がたまります。特に湿度の高い環境では、より多くの水分が発生しやすくなります。これは、圧縮された空気が冷却される際に、含まれていた水蒸気が液体の水となるためです。水の発生量は、使用環境の温度や湿度、圧縮空気の圧力によっても変化します。

 

コンプレッサー内に水がたまることによる問題点

コンプレッサー内に水が蓄積すると、さまざまな問題が発生します。

1. タンク内の腐食と損傷

コンプレッサーのタンク内部に水がたまり続けると、金属部分が錆びやすくなり、腐食が進行します。長期間放置すると、タンクが薄くなり、最悪の場合、破損やエア漏れが発生する可能性があります。特にスチール製のタンクでは、定期的な水抜きを怠ると寿命が大幅に短くなります。

2. 圧縮空気の品質低下

圧縮空気に水分が混入すると、エアツールや生産設備の動作に悪影響を及ぼします。例えば、塗装作業ではエアに含まれる水分が塗料に混ざり、仕上がりの品質を損なう原因となります。また、精密機械の動作にも支障をきたし、故障のリスクが高まります。

3. エアホース内部の水詰まり

コンプレッサーから供給されるエアホースの内部に水が溜まると、エアの流れが不安定になり、圧縮空気の供給にムラが生じることがあります。特に長いホースを使用している場合、途中で水がたまることで圧力が低下し、必要なエア供給量を確保できなくなる可能性があります。

4. 冬季の凍結リスク

冬場にはタンク内や配管内に溜まった水が凍結し、エア供給がストップする恐れがあります。特に寒冷地では、夜間や使用停止時に内部の水分が凍結し、翌日の稼働に支障をきたすケースが多く報告されています。凍結した水が配管を破損させる可能性もあり、修理費用の増加や作業の遅延につながります。

 

水の発生を抑えるための対策

コンプレッサー内部の水を最小限に抑えるために、以下の対策が有効です。

1. 定期的な水抜き

コンプレッサーには通常、タンクの底部にドレンバルブ(排水弁)が付いています。定期的にこのバルブを開け、水を排出することでタンク内の水分を減らすことができます。特に湿度の高い時期や長時間使用する場合は、こまめな水抜きが推奨されます。

2. ドライヤー(エアドライヤー)の設置

エアドライヤーを使用することで、圧縮空気内の水分を効率的に除去できます。特に、精密機械や塗装作業を行う場合には、ドライヤーの導入が不可欠です。

3. オートドレントラップの活用

手動での水抜きが面倒な場合、オートドレントラップを設置すると、自動的に水を排出できます。これにより、メンテナンスの手間を削減し、安定したエア供給を維持することができます。

4. エアフィルターの導入

エアフィルターを設置することで、圧縮空気内の水分や異物を取り除くことが可能です。特に、微細な水分を除去するミストセパレーターと組み合わせると、より高品質な圧縮空気を供給できます。

5. コンプレッサーの設置環境の見直し

湿度の高い場所でコンプレッサーを使用すると、水分の発生量が増加します。可能であれば、通気性の良い乾燥した環境に設置し、エアの吸入時に余計な湿気を含ませないようにすることも重要です。

 

自動ドレンバルブを活用する

手動での水抜き作業が面倒な場合や、頻繁に水がたまる環境では、自動ドレンバルブの導入も検討するとよいでしょう。自動ドレンバルブは、設定した時間や圧力に応じて自動で排水を行うため、手間をかけずにタンク内の水分を除去できます。

また、エアドライヤーやウォータートラップを併用することで、より効果的に水分を除去し、コンプレッサーの寿命を延ばすことができます。エアドライヤーは圧縮空気を冷却して水分を凝縮・排出し、ウォータートラップは配管内の水分を分離する役割を果たします。これらを組み合わせることで、圧縮空気の品質を向上させ、機器への悪影響を最小限に抑えることができます。

さらに、自動ドレンバルブには電動式や機械式などの種類があり、用途に応じた選択が可能です。例えば、電動式は制御精度が高く、工場や大規模な設備での使用に適しています。一方、機械式は電源が不要で、小規模な設備や移動式コンプレッサーにも適用できます。設置環境や使用頻度を考慮し、最適なタイプを選ぶことが重要です。

 

水抜きを怠るとどうなるのか?

水抜きを怠ると、コンプレッサーや使用するエアツールに深刻な影響を及ぼすことがあります。タンク内部の水分が増えることで、錆びが発生し、金属部分の劣化が進みます。錆びたタンクは強度が低下し、最悪の場合、破損やエア漏れの原因となります。タンクが破裂すると大事故につながる可能性があるため、特に注意が必要です。

また、圧縮空気に水分が混入すると、エアツールや生産設備の動作に支障をきたします。例えば、塗装作業では水分が塗料に混ざることで仕上がりにムラが発生し、品質が著しく低下します。さらに、精密機械を使用する工程では、水分による部品の腐食や誤作動が起こる可能性があり、生産ライン全体の効率低下を招くこともあります。

水分が原因でコンプレッサーのフィルターや配管が詰まると、圧縮空気の供給が不安定になり、設備の運用に悪影響を及ぼします。こうしたトラブルを防ぐためにも、定期的な水抜きと適切な管理が不可欠です。

 

冬場の水抜きの重要性

特に冬場は、タンク内の水が凍結し、配管の詰まりや機器の破損を招く恐れがあります。これを防ぐためには、以下の対策が重要になります。

  1. 水抜きを頻繁に行う
    気温が低下すると水分が凍結しやすくなるため、通常よりも頻繁に水抜きを行うことが推奨されます。特に、夜間や休日の前には必ず水抜きを行い、タンク内に水を残さないようにしましょう。
  2. エアドライヤーを使用して水分を減少させる
    冷凍式や吸着式のエアドライヤーを導入することで、圧縮空気中の水分を効率的に除去できます。特に、寒冷地では吸着式エアドライヤーの使用が効果的です。
  3. 配管を断熱材で保護する
    配管の温度が低下すると、水分が凍結しやすくなります。断熱材やヒーターを活用し、配管内の温度を一定に保つことで、凍結による詰まりを防ぎます。
  4. ヒーター付きドレンバルブの導入
    冬場の凍結を防ぐために、ヒーター付きの自動ドレンバルブを設置するのも有効です。これにより、排水の際にドレンバルブ自体が凍結するリスクを軽減できます。

 

まとめ

コンプレッサーの水抜きは、機器の性能を維持し、トラブルを防ぐために欠かせない作業です。タンク内に水がたまる原因を理解し、定期的な水抜きを実施することで、長期間にわたり安全かつ効率的にコンプレッサーを使用できます。

手動の水抜きが難しい場合は、自動ドレンバルブの導入を検討するのも一つの方法です。エアドライヤーやウォータートラップを併用することで、より効果的に水分を除去し、圧縮空気の品質を向上させることができます。

特に冬場の凍結対策は重要であり、水抜きを怠ることで重大な故障や事故につながる可能性があります。頻繁な水抜き、断熱材の活用、ヒーター付きバルブの導入など、適切な対策を講じることで、コンプレッサーをより長く、快適に使用することができるでしょう。

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