【コンプレッサーの点検義務と推奨事項】安全と効率的な運用のためのガイド
コンプレッサーは、工場や建設現場など、様々な産業において圧縮空気を供給する重要な設備です
その安定稼働は、生産性の向上に直結するため、定期的な点検は欠かせません。
本記事では、コンプレッサーの点検義務と、より効率的な運用を実現するための推奨事項について詳しく解説します。
【記事まとめ】
・コンプレッサーを安定稼働させるために点検は必須 ・高圧ガスを使用する設備については、法定点検が厳しく規定されている ・重大な事故を防ぐためにも点検は怠らないこと |
コンプレッサーとは?
まずは、コンプレッサーについて解説します。
コンプレッサーとは、気体(主に空気)を圧縮する機械のことです。
私たちの身の回りでは、工場や建設現場、自動車整備工場など様々な場所で活躍しています。
また、圧縮する空気や圧縮方法によって種類が分かれています。
では、そんなコンプレッサーにはどんな種類があるのか、その仕組みとは何か詳しく見ていきましょう。
コンプレッサーの仕組み
コンプレッサーの仕組みは、種類によって異なります。
ひとまず、基本的にな仕組みから解説していきますね。
以下のステップで空気を圧縮します。
【圧縮方法】
吸気: 外気を吸い込む
圧縮: 吸い込んだ空気をピストンやスクリューなどの機構で圧縮
冷却: 圧縮によって高温になった空気を冷却
貯蔵: 圧縮空気をタンクに貯蔵 |
コンプレッサーの種類
次に、コンプレッサーの種類について解説します。
圧縮方法別に3種類に分けてみました。
今回は、レシプロ・スクリュー・ロータリーといったタイプ別に分けました。
他にも油冷式・オイルフリー式など様々な違いがあります。
それぞれ圧縮方法の違いだけでも販売価格に違いもあります。
例えば、低予算で抑えたい場合は、レシプロ式コンプレッサーが希望にあいやすいです。
また、効率よく圧縮空気を供給したい場合は、スクリュー式コンプレッサーになるでしょう。
その他にも、何時間連続で稼働するかによっても適したコンプレッサーがあります。
このように用途、予算、目的などによって必要なコンプレッサーが変わってきます。
もし、どのコンプレッサーにしようか迷っていた際は、参考にしてください。
それでは、各圧縮方法にどんな違いがあるのか見ていきましょう。
コンプレッサーには、大きく分けて以下の種類があります。
レシプロ式コンプレッサー
ピストンが往復運動して空気を圧縮するタイプです。
構造がシンプルで、小規模な設備に多く用いられます。
スクリュー式コンプレッサー
2つのスクリューローターが噛み合い、空気を連続的に圧縮するタイプです。
高効率で、大容量の空気を供給できます。
ロータリー式コンプレッサー
ローターが回転することで空気を圧縮するタイプです。
小型で軽量なものが多く、携帯用として使用されることもあります。
コンプレッサーの用途
圧縮空気は、様々な用途に利用されます。
塗装: 塗装ブース内の空気の循環、塗料の霧化
洗浄: エアブラストによる表面洗浄
駆動: エア工具(ドリル、グラインダーなど)の駆動
冷却: 製品の冷却
搬送: 空気搬送
その他: 充填、タイヤの空気入れなど |
点検義務:法規制と安全確保
本項からコンプレッサーの点検など本テーマに入っていきます。
コンプレッサーの点検は、単なる機械のメンテナンスにとどまりません。
労働安全衛生法をはじめとする法規制によって、定期的な点検が義務付けられている場合もあります。
特に、高圧ガスを使用する設備については、法定点検が厳しく規定されています。
点検義務化の背景
コンプレッサーの点検義務化は、主に環境問題への関心の高まりと、それに伴う法規制の強化が背景にあります。
例えば、フロンガスが挙げられます。
過去のコンプレッサーは、冷媒としてフロンガスを使用することが一般的でした。
このフロンガスは、使い勝手がよく、常温でも少しの圧力で液体になれます。
また、圧を抜くと気体にすることもできるのです。
さらには、金属を腐食させることもなく、可燃性でもなく、毒性もないという万能なガスとしてつかわれていた背景があります。
これだけ聞くと、素晴らしすぎる素材に思えてくるでしょう。
ただ、実際には宇宙から届く紫外線を守る「オゾン層」にダメージを与える素材でもありました。
このことが分かったときに世界で一斉に禁止となりました。
フロンガスの代替が必要なため現在では、より安心安全な代替ガスを使用しています。
フロンガスは一例ではありますが、このような背景から点検義務や法令強化などに繋がっています。
その他の例を下記にまとめてみました。
安全確保
圧縮空気が漏れたり、機械が故障した場合、労働者への重大な事故につながる可能性があります。
設備の寿命延長
定期的な点検によって、早期に異常を検知し、部品交換などの対策を行うことで、設備の寿命を延ばすことができます。
エネルギー効率の向上
適切なメンテナンスにより、コンプレッサーの効率を維持し、エネルギーコストを削減できます。
点検項目の例
次に点検項目の例を以下にまとめました。
【点検項目の一例】
・圧力容器の外観検査
・配管の腐食や損傷の有無
・圧力計、温度計などの計器の精度確認
・安全弁の作動確認
・オイルレベルの点検
・異音、振動の有無 |
点検の頻度と内容
点検の頻度は、コンプレッサーの種類、使用状況、設置環境などによって異なります。
一般的には、以下の頻度で点検を行うことが推奨されています。
日常点検
毎日またはシフトごとに、運転状態、騒音、振動、温度、圧力などを確認します。
定期点検
月1回、3ヶ月に1回など、一定の周期で、より詳細な点検を行います。
法定点検
法律で定められた周期で、専門業者による点検を実施します。
点検の内容は、上記の例以外にも、製造元のマニュアルや、使用状況に合わせてカスタマイズすることが可能です。
推奨事項:より効率的な運用へ
点検義務を満たすだけでなく、コンプレッサーをより効率的に運用するためには、以下の点に注意することが重要です。
記録の保存
点検結果を記録し、過去のデータと比較することで、設備の劣化状況を把握し、適切なメンテナンス計画を立てることができます。
専門業者への依頼
高圧ガス設備や複雑な構造のコンプレッサーについては、専門業者に点検を依頼することが安全です。
予防保全
定期的な点検だけでなく、部品の交換や性能の向上など、予防的な対策を行うことで、突然の故障を防ぐことができます。
省エネ対策
適切な運転管理や、省エネ型のコンプレッサーへの更新など、エネルギー効率の向上を図ることが重要です。
まとめ
今回は、コンプレッサーの点検義務や推奨事項について解説しました。
コンプレッサーの点検は、安全な作業環境を確保し、設備の寿命を延ばすために不可欠です。
法規制を遵守することはもちろん、より積極的な取り組みによって、コンプレッサーの性能を最大限に引き出すことができます。
そして、生産性向上に貢献することができます。
羽田コンプレッサーでは、定期的なメンテナンスを受け付けています。
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