【コンプレッサー点検と法律】安全と法規制の両立に向けて
本記事では、コンプレッサーの点検に関する法律についてまとめました。
コンプレッサーは、多くの産業において空気圧を供給する重要な機器です。
工場や建築現場など様々な現場で活躍していますよね。
その一方で、不適切な使用やメンテナンス不足は、事故や故障の原因となり、作業者の安全や生産性の低下につながる可能性があります。
また、コンプレッサーの状態が悪化していき、ランニングコストの増加や買い替えなど費用面でのリスクが生じる恐れもあります。
安全・生産効率・コストなど総合的に見てもコンプレッサーの点検不足は避けなければいけません。
そこで本記事では、コンプレッサーの点検に関する法律や規制、そして安全な運用のための具体的な点検方法について詳しく解説します。
【記事まとめ】
・コンプレッサーの点検は、法律で義務付けられている ・点検/メンテナンス関係は、コンプレッサー専門店に頼める ・従業員の安全のためにも点検は忘れずに! |
コンプレッサーとは
ずは、コンプレッサーについて紹介します。
コンプレッサーとは、空気を圧縮し、連続的に送り出す機械のことです。
コンプレッサーの中には、様々な種類があり、「扱う空気」によって分けられます。
例えば、一般的に空気を扱うコンプレッサーのことを「エアーコンプレッサー」または、「ガスコンプレッサー」と呼びます。
そのなかでも、扱う空気が限定されている場合、その空気の名称が付きます。
水素を扱うコンプレッサーであれば、水素ガスコンプレッサー。
窒素を扱うコンプレッサーであれば、窒素ガスコンプレッサー。
その他には、都市ガスやCmHn系炭化水素ガスなど様々な空気を圧縮できます。
また、コンプレッサーの分類はガスだけでなく、「往復式・回転式・遠心式・軸流式」など圧縮方法によってもコンプレッサーには種類が分けられています。
コンプレッサー点検の重要性
次にコンプレッサーの点検の重要性についてです。
コンプレッサーの点検はそれだけでも十分メリットがあります。
逆に点検をしなかった場合、被害が大きくなりやすいなどデメリットも存在します。
コンプレッサーの調子が一時的に悪くなっても、放置してしまう方がいます。
正直、経費を抑えるためにもメンテナンスを怠ってしまう気持ちは分かります。
ただ、コンプレッサーの一時的な不調や違和感を放置し続けることの方が大きなリスクです。
では、点検を行うことにどんなメリットがあるのでしょうか。
コンプレッサーの定期的な点検は、以下のメリットをもたらします。
安全性の確保 | 故障による事故やケガを未然に防ぎ、作業環境の安全性を確保します。 |
寿命の延長 | 早期に異常を発見し、適切な処置を行うことで、コンプレッサーの寿命を延ばし、交換コストを削減します。 |
効率化 | 性能低下を防止し、エネルギー効率を高めることで、ランニングコストを削減します。 |
法規制への対応 | 関連法規を遵守し、行政処分を受けるリスクを回避します。 |
コンプレッサーに関する主な法規制
次にコンプレッサーに関する主な法規制について見ていきましょう。
コンプレッサーの取り扱いにはさまざまな法規制が適用されます。
運用に関わる主な法規制としては、下にまとめました。
労働安全衛生法
まずは、労働安全衛生法です。
労働安全衛生法は、労働者が安全かつ健康な状態で働くための環境を整備することを目的とした法律です。
コンプレッサーに関しても、その設置、使用、メンテナンスにおいて、労働者の安全を確保するためのさまざまな規定が設けられています。
ボイラー及び圧力容器安全規則では、コンプレッサーの構造や使用圧力によっては圧力容器に該当した場合、この規則の対象です。
定期的な検査や自主点検が義務付けられています。
次に、高圧ガス保安法というモノもあります。
コンプレッサーで圧縮するガスが、高圧ガスに該当する場合、この法律の規制を受ける対象です。
製造、充填、貯蔵、運搬など、高圧ガスを取り扱うすべての段階で安全対策が求められます。
コンプレッサーの点検項目
コンプレッサーには、点検に関する法令が定められています。
これは、使用者あるいは所有者に課せられている義務です。
実際、確認してみると思っていたより細かく決まっていて、驚かれる方もいらっしゃいます。
逆にいくつも定められているからこそ、しっかり把握しておかなければ「知らなかった」という状態になってしまいます。
では、実際どんな点検項目があるのでしょうか。
コンプレッサーの点検項目は、機種や使用状況によって異なります。
一般的な項目を下にまとめました。
それでは、見ていきましょう。
外観の点検 | 腐食、変形、異音、振動、漏洩がないか確認します。 |
運転状態の確認 | 圧力、温度、電流、振動などを測定し、異常がないか確認します。 |
油量の確認 | オイルレベルゲージで油量を確認し、不足している場合は補充します。 |
フィルターの清掃または交換 | エアフィルター、オイルフィルターなどを清掃または交換します。 |
ベルトの張力調整 | Vベルトの張力を適正に調整します。 |
配管の点検 | 腐食、損傷、緩みがないか確認します。 |
表はあくまで一例ではありますが、外観や油量など様々な箇所を見ているのが分かりますね。
点検の頻度と記録
次に点検の頻度と記録についてです。
いざ点検を行うにしてもどれくらいの頻度で行うべきなのでしょうか。
点検といえど、日常点検や法定点検など種類もありますよね。
そこで、種類別に点検の頻度と記録を見ていきましょう。
点検の頻度は、メーカーの推奨や使用状況によって異なります。
一般的な頻度を下にまとめてみました。
目安にしてみてください。
日常点検 | 毎日またはシフトごとに、簡単な点検を行います。 |
定期点検 | 月1回、3ヶ月に1回など、定期的に詳細な点検を行います。 |
法定点検 | 労働安全衛生法など、関連法規で定められた点検を行います。 |
点検を行った際の記録は、残しておくようにしましょう。
記録を残すことで、異常発生時の原因究明や、今後のメンテナンス計画に役立ちます。
記録の残し方は、紙またはパソコンで問題ありません。
安全なコンプレッサーの運用のために
コンプレッサーを安全に運用するためには、以下の点に注意することが重要です。
資格者の作業 | 点検や修理は、資格を持った者が行うようにしましょう。 |
マニュアルの遵守 | メーカーのマニュアルを必ず守り、正しく操作しましょう。 |
定期的な教育 | 作業者に定期的に安全教育を行い、安全意識を高めましょう。 |
異常時の対応 | 異常が発生した場合は、すぐに運転を停止し、原因を究明しましょう。 |
コンプレッサーのメンテナンスの流れ
最後にコンプレッサーのメンテナンスの流れについて解説します。
【一つでも当てはまったときはすぐにお問い合わせください】
・異音がする |
まず、上の表にある症状が一つでも当てはまる方は、すぐにお問い合わせください。
①お問い合わせ
電話または、メールでお問い合わせください。
お急ぎの方は、電話でお願いします。
②現場訪問
実際にメンテナンス・修理を行うコンプレッサーをスタッフが直接見させていただきます。
③御見積り
現場の状況からお見積りを出させていただきます。
ここで見積金額を見ていただき、問題なければ作業に移ります。
④修理・メンテナンス
早ければ即日対応いたします。
スタッフの状況やお伺い先の場所などによって数日あく場合がありますが、どれくらいの期間で修理・メンテナンスが完了するか御見積りの段階でご説明いたします。
⑤お支払
修理・メンテナンス終了後にお支払いただきます。
お支払方法や期日など詳細はお見積りの際か、作業終了後にご連絡いたします。
まとめ
今回は、コンプレッサーの点検に関する法律についてまとめました。
コンプレッサーの点検は、安全な作業環境を確保し、設備の寿命を延ばすために不可欠です。
関連法規を遵守して、しっかり定期的な点検を行いましょう。
トラブルを未然に防ぎ、生産性の向上に貢献することができます。