オイルフリータイプのコンプレッサーについて
基本的にコンプレッサーには、オイルが使われています。
例えば、鉱物油・合成油・半合成油などが使われていますよね。
一方で、オイルフリーのコンプレッサーがあることをご存知でしょうか。
これまでコンプレッサーのオイルといえば、摩擦防止やガス漏れ防止といった役割がありました。
コンプレッサーを稼働させるうえで大事な要素です。
そんなオイルが必要ない機種があるとは驚きですね。
では、オイルフリーとは一体どんな仕組みなのか解説していきます。
【記事まとめ】
・オイルフリータイプのコンプレッサーが登場! ・オイルフリーでも機種の寿命は変わらない! ・想像しているよりかなり優秀! |
コンプレッサーのオイルとは?
まずは、コンプレッサーのオイルについて解説します。
コンプレッサーに使われているオイルは、どんな目的で使われているのでしょうか。
役割について詳しく見ていきましょう。
役割①:ガス漏れ防止
1つ目は、ガス漏れ防止です。
コンプレッサーとは、圧縮した空気を連続して送り込む機械です。
そのため、圧縮空気が漏れないようにしなくてはいけません。
空気が漏れてしまうと、空気の圧力が上がりきらなくなります。
また、十分な圧縮空気を供給できなくなるのです。
こういった事態が発生すると、現場の作業効率が格段に下がってしまいますね。
そこで、オイルが活躍してくれます。
ガス漏れが生じないようシールとして機能してくれます。
よって、空気が漏れ出ることなく保護してくれているわけです。
役割②:金属部品の摩擦防止
2つ目は、金属部品の摩擦防止です。
コンプレッサーは、精密機器のように数多くの部品が組み合わさってできています。
そんな部品の中には、金属部品も多くあります。
この金属部品が他の部品に接触することがあり、部分同士が当たることで摩擦が生じるのです。
摩擦が続くことで、部品の消耗が激しくなり、部品が損傷していきます。
そこでオイルの出番です。
オイルがあることで潤滑油として働き、部品同士の摩擦を防止してくれるのです。
コンプレッサーを長く使い続けたい方は、しっかりオイル切れや漏れがないよう気をつけましょう。
コンプレッサーのオイルの種類は?
次にオイルの種類について紹介します。
オイルは、大きく分けて4種類あります。
詳しくは下の表をご覧ください。
【コンプレッサー:オイル種類】 ・鉱物油 ・合成油 ・半合成油 ・ポリオールエステル(POE) |
それぞれのオイルの使い分けとしては、コンプレッサーの種類や使用用途によって使用するオイルが異なります。
どのような違いがあるのか種類別に見ていきましょう。
鉱物油
鉱物油とは、石油を原料とした油です。
特徴は、比較的安価で手に入ることです。
コンプレッサーのオイルとしては、最も広く使用されているオイルでもあります。
特にレシプロタイプのコンプレッサーで使用されている傾向にあります。
合成油
合成油は、化学的に合成された油です。
特徴としては、高い耐久性や高温に強い特性があります。
主にスクリュータイプのコンプレッサーに使用します。
ちなみに、使用しているコンプレッサーがスクリュータイプの場合、鉱物油を使用するケースがあります。
スクリュータイプのコンプレッサーのオイル交換する際はどのオイルが使われているのか事前に把握しておきましょう。
半合成油
半合成油とは、鉱物油と合成油を混合したものです。
鉱物油と合成油を良いとこ取りしたハイブリッドなオイルだと思ってください。
特徴は、鉱物油のコスト面の安さと、合成油の性能面の良さを併せ持っているところです。
オイルは必須!その重要な理由とは
前項でオイルについて解説しました。
オイルがあることで、コンプレッサーの空気やガス漏れ防止、金属部品の摩擦を防止などコンプレッサーを保護してくれています。
一方で、オイルが切れてしまうとガス漏れや部品の摩擦が起き、故障に繋がるリスクが発生します。
そのため、長く安全に使い続けるためにもオイル交換は、必須だと言えます。
そこでオイル交換が必要な理由は、3つにまとめました。
【オイル交換の重要性】 ①:潤滑性の維持 ②:熱の伝導性の維持 ③:消耗品の交換 |
では、それぞれより詳しく見ていきましょう。
潤滑性の維持
1つ目は、潤滑性の維持についてです。
機械の内部部品同士の摩擦を低減し、スムーズな動作を維持するために必要です。
オイルの交換をしないままにしているとオイルが劣化や汚染することになります。
そのため、潤滑性が低下、内部部品の摩擦が増加、コンプレッサー本体の寿命が短くなる可能性が上がります。
熱の伝導性の維持
2つ目は、熱の伝導性の維持についてです。
機械内部の熱を適切に伝導し、温度を調整するためにオイルが重要な働きをしてくれています。
オイルの交換をしないまま放置していると、熱の伝導性が低下し始めます。
また、機械内部の温度が上昇していく際にコンプレッサーの故障の原因となる恐れがあることも注意しなければいけません。
消耗品の交換
3つ目は、消耗品の交換についてです。
コンプレッサーのオイルは、消耗品の一つです。
長期間使用するとオイル自体が劣化していきます。
コンプレッサーオイルの定期的な交換・メンテナンスによって、オイルの劣化を防止しています。
また、コンプレッサーの正常な動作を維持することができるのです。
オイルフリーコンプレッサーとは
ここからは、オイルフリーのコンプレッサーについて解説します。
オイルフリーコンプレッサーとは、その名の通り、圧縮空気を生成する際に潤滑油を使用しないタイプのコンプレッサーのことです。
従来の給油式コンプレッサーと比べて、以下のような特徴があります。
クリーンな圧縮空気
潤滑油が混入しないため、食品加工、医療、電子部品製造など、高純度の空気を必要とする分野で広く利用されています。
環境負荷の低減
潤滑油の交換や廃棄に伴う環境負荷が少なく、環境に優しい選択肢です。
メンテナンスの簡素化
潤滑油の管理が不要となり、メンテナンスの手間が省けます。
オイルフリーコンプレッサーの仕組みとは
オイルフリーコンプレッサーには、主に以2つのタイプがあります。
1つ目は、ドライラン方式です。
摺動部を特殊な素材で構成し、潤滑油なしで動作させるタイプです。
2つ目は、スクリュー方式:です。
2つのスクリューが噛み合いながら空気を圧縮し、潤滑油を使わずに冷却を行います。
このようなオイルフリーコンプレッサーには、メリット・デメリットも存在します。
最大のメリットとしては、高品質な圧縮空気が生成できることです。
食品や医薬品などを製造している現場にとって、異物混入は厳禁です。
そこで、オイルフリーであれば、より高純度な圧縮空気が使えるため、異物混入が絶対に許されない分野では、高い信頼を持たれています。
他にもランニングコストが抑えられます。
潤滑油の交換が不要なため、オイルのコストカットができるのです。
これは、長期的に見たときに嬉しいポイントでしょう。
また、コンプレッサーの寿命が長い傾向にあります。
潤滑油による摩耗が少ないため、コンプレッサーの寿命が長くなりやすい構造をしているのです。
デメリットとしては、価格面があげられるでしょう。
どうしても 給油式コンプレッサーに比べて初期投資費用が高額になる傾向があります。
また、一部の機種では、給油式に比べて騒音が大きい場合があるので、静音性を求める方は注意しましょう。
まとめ
今回は、オイルフリーコンプレッサーについて解説しました!
自社にとってオイルが必要なコンプレッサーと、オイルフリーコンプレッサーどちらがあっているか検討してみてください。
決めかねるときは、ぜひ羽田コンプレッサーまでご相談ください!