コンプレッサーのタンクの修理について解説
今回の記事では、コンプレッサーのタンクの修理について解説しています。
コンプレッサーのタンクには重要な役割があり、圧縮空気を蓄えることを担っています。
そんな重要な部品であるタンクに穴が開くなど故障することがありますよね。
例えば、穴が開くと圧縮空気が外に逃げてしまうことで、正常運転を阻害してしまいます。
故障しては現場にも影響が出かねませんので、修理が必要です。
このように重要なタンクについてより詳しく見ていきましょう。
【記事まとめ】
・コンプレッサーのタンクには、空気を蓄える役割がある。 |
コンプレッサーのタンクの役割
タンクには、主にコンプレッサーに接続して使用するタイプとコンプレッサーの内部に搭載されているタイプがあります。
そのコンプレッサーのタンクがあることで、圧縮した空気を蓄えることできます。
また、他にもいくつか役割があります。
【タンクの役割】
・圧縮空気の保管 |
コンプレッサーにタンクが無い場合や、タンクの容量が少ない場合、インチングが発生します。
そのため、タンクにはコンプレッサーのインチングを防止する役割もあるのです。
インチングとは、タンクが無い場合、圧縮空気を作るロードとカラ運転のアンロードが頻繁に起きてしまう現象のことです。
インチングが続くことによって、マグネットスイッチの寿命が短くなり、最終的にはコンプレッサーの故障に繋がります。
逆に十分なタンクが接続することでインチングの発生を防止しているのです。
また、タンクがあることで空気の消費が多くなる作業を行った際に緩衝となり、圧縮空気の圧力低下を抑える役割もあります。
そして、コンプレッサーの電流値を抑えられるとも言われています。
コンプレッサーの起動電流は、定格電流のおよそ2〜3倍に達します。
タンクを設置することにより発停の数が減らせられるため、電流値が抑えられます。
結果、省エネに繋がり、電気代も多少なりとも抑えられます。
タンクの選び方
コンプレッサーにとって重要な機器の1つであるタンクには、選び方があります。
まず、作業面で見るならばタンクの容量が大きいものが便利です。
特にレシプロコンプレッサーは、他のコンプレッサーよりも脈動が多いため吐出空気量の25%前後のタンクが必要です。
また、スクリューコンプレッサーの場合は、レシプロコンプレッサーよりも脈動が少ないことから20%前後で十分でしょう。
タンク容量が大きいということは、よりたくさんの圧縮空気を蓄えられるということです。
そのため、連続作業においてストレスなく作業が進められます。
タンクの容量が少ない場合、蓄えられる圧縮空気が少ない分、連続作業や作業が長引いたときに空気が切れてストレスに感じてしまうので、注意しましょう。
また、容量が大きいタンクには、空気圧縮の動作時間が短くなることもメリットの一つです。
動作時間が短いと圧縮機内部シリンダの摩耗が減ります。
よって、使い続けたときにタンクやコンプレッサーの寿命が延び、より長く使い続けることができます。
持ち運びを想定する場合は、タンクが大きすぎると移動が大変です。
そのため、持ち運びに便利なサイズ感としては、12~15Lまでを目安にしてください。
タンクの保管方法について
タンクの保管方法は、なるべく直射日光を避け、雨風を受けない場所に置く必要がありますので、屋内で保管してください。
屋外に置いておくと、タンクに雨風がかかり、腐食が進むことで早く劣化してしまいます。
タンクが劣化してしまえば、思わぬときに壊れ、作業に支障をきたします。
また、修理や買い替えにお金がかかりますので、なるべく状態が良く長く使い続けるためにも屋内で大切に保管をお願いします。
コンプレッサーの容量が足りないと感じたときは?
故障ではなく、そもそもタンクの容量が少ないことで空気の圧力が不足を感じている場合は、サブタンクを検討しましょう。
サブタンクを外付けすることで足りない分の容量を確保できます。
特に作業時間いっぱいまで持たせたい方や、連続使用することが多い方は、サブタンクがオススメです。
新しくタンクの容量が大きいコンプレッサーを購入しても良いですが、コンプレッサー自体がまだまだ現役で使える場合、タンクのために購入するのはもったいないです。
また、高額な費用が発生することからコストを抑えながら、容量を確保できるサブタンクはうってつけでしょう。
基本的につなぎ方は、エアホースでつなぐだけなので、商品到着後すぐに使っていただけます。
一部取り付け時に注意が必要なので、説明書を読むようにお気を付けください。
故障の種類
タンクの故障にはいくつか種類がありますが、よく発生する故障としては「穴が開く」ことと、「ドレンコック詰まりによるタンクの劣化」が挙げられます。
タンクの故障をそのままにしておくとタンク内の圧力が低下し、十分な空気を蓄えることができず、コンプレッサーのパフォーマンスが低下します。
また、足りない圧力分を補おうとしてコンプレッサーに負荷をかけるなどコンプレッサーそのものの故障に繋がるでしょう。
最悪コンプレッサーの買い替えを余儀なくされて、高額な費用が発生してしまいます。
そのため、コンプレッサーのタンクは問題が無いか逐一メンテナンスが必要ですが、どうしても劣化などにより故障してしまいますよね。
それでは、故障の原因になりやすいドレンコックの詰まりとタンクに穴が開くことについて解説します。
ドレンコック詰まりによるタンクの劣化
ドレンコックとは、コンプレッサーの下にあるバルブのことです。
ドレンコックを開けることでタンク内の空気や水が出てきます。
このドレンコックは、定期的に解放してあげる必要があり、解放せずに閉め続けるとタンク内に水が溜まり続けてしまいます。
タンク内に水が溜まる原因としましては、空気を圧縮すると空気に含まれている水素と酸素が結合することで水ができるからです。
タンク内にはドレンコック以外に空気の逃げ道が無いため、水の逃げ道もありません。
そのため、水がどんどんタンク内に貯まっていくのです。
貯まった水は、定期的にドレンコックを解放し、抜いてあげなくてはいけません。
水を抜くことで、タンク内の空気のスペースを確保しているのです。
水が溜まりすぎてしまうと空気のスペースが減少していき、効率が悪い状態に陥ります。
ドレンコックが詰まってしまい、水が抜けずそのままにしておくと、空気のスペースが徐々に減っていき、コンプレッサーに負荷かかることでコンプレッサー自体が故障する原因に繋がります。
故障しないためにも定期的に水を抜いてあげましょう。
また、故障してしまうと故障個所がタンクだけに留まっていない可能性もありますので、なるべく早く専門店に問い合わせて、修理の見積もりを依頼しましょう。
タンクに穴が開いたとき
次にタンクに穴が開いたときについてです。
腐食や劣化などによりタンクに穴が開いてしまうことがあります。
穴を溶接して塞ぐ必要がありますが、タンクの補修にはタンク内の圧力に気を付けなければいけません。
単純に穴が開いて、塞ぐだけでは別の弱い箇所に負荷がかかり穴が開いてしまいます。
また、作業中に爆発など事故の可能性も少なからずありますので、穴が開いていることを発見した際は、なるべく早く専門店に問い合わせて見に来てもらいましょう。
まとめ
今回は、コンプレッサーのタンクの修理のついて解説しました。
タンクの不具合にはすぐに気づいてあげる必要がありますので、定期的にメンテナンスを心がけましょう。
また、メンテナンスも専門店で受けられますので、ぜひご利用ください。